2007年11月18日

エコロジー/エントロピー経済ゼミに参加しませんか(12月3日より開催)

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12月3日より開催、エコロジー/エントロピー経済ゼミに参加しませんか
主催 小林一朗(みどりのテーブル共同代表)
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■エコロジー/エントロピー経済ゼミに参加のお誘い

経済学は経済活動を分析し、政策決定に寄与する重要な学問領域です。現在では市場重視の新古典派/新自由主義経済学が絶大な影響力を持ち、世界を単一の市場とする方向に諸国は向かっています。世界各国のあらゆる政策に多大なる影響を与えています。

しかし、既存の経済学の体系では「劣化しない、無限の自然」が前提にされており、「成長の限界」を本格的に意識しなくてはならない現代に至っては、その前提を根底から作りかえる必要性がますます高まっています。

経済学は百花繚乱、中には環境を市場経済に取り込むことで環境経済政策をうちだそうという環境経済学もありますが、ごくわずかな論者を除いて「成長の限界」、資源/環境制約をその体系に取り込もうとはしていません。
また、真に資源/環境制約を検討すれば、それはあらゆる既得権の見直しにつながるため、既得権を守ることを前提に物事を考える人たちからそうした提案がなされることは今後もないでしょう。

持続可能な社会の実現を目指す人々および政治勢力にとって、「無限の自然」を前提としない包括的政治経済環境政策の基礎を学ぶ必要性が日ごと高まっていると思えませんか。

そこで、この度、自主的に「エコロジー/エントロピー経済ゼミ」を催し、一定期間で基礎を学び、そして提案にまで作り上げていく機会をつくります。
スローな暮らし、適度な規模(スモール)で、簡素(シンプル)な経済を実現していきましょう。

皆様のご参加をお待ちしております。

■開催要領
  開催日 毎月第1、第3月曜日 19:30〜21:30
      12月3日、17日、1月7日、21日、以降つづく。
  場所 みどりのテーブル 事務所(新宿区四谷1-18 オオノヤビル5F)

  TEL/FAX 03-3358-4570
  主催 小林一朗(みどりのテーブル共同代表)
  アドバイザー 泉留維さん、内田宏樹さん
  問い合わせ 小林一朗(メール)まで。
skype名 ichiro_kobayashi(skype名およびメールアドレスで検索できます)
  参加費 1,000円/期(前払い、コピー代・会場費として) テキスト代・資料代は自己負担
  募集人数 最大10名(遠方の方はネット(Stickamのライブ機能)参加も歓迎します)

参加資格は特に限定しません。経済学を学んだことがなくても構いません(むしろ、そうした方と一緒に学びたいと考えております)が、議論の水準を合わせるため、新書程度の入門書を数冊、短期間に読んでいただくことになります。

■オリエンテーション(説明会)
参加を希望される方は、オリエンテーションにご出席ください。
11月19日(月)、11月26日(月)19:30より 同会場にて。
※12月3日、17日は19:00より30分間オリエンテーション、19:30よりゼミ。11月のオリエンに参加できない方はこちらにどうぞ。


■内容
1期/3ヶ月とし、進めていきます。
第1期は前提の確認です。
 1)近代経済学が「劣化しない、無限の自然」を前提にしていたこと、
 2)エントロピー学会関係者による総括(到達点)、
について学びます。

第2期以降は参加者とともに内容を検討します。
地球環境を熱学的に、そして複雑系として理解するための補講を随時予定しています。
一定の共通理解を得た後に、現実の経済関連政策を個別に検討し、エコロジー/エントロピーの視点から代替策をつくります。

■ 補足
なお、主催者は、このゼミで皆様と学び、議論したことを、みどりの政治勢力の基礎政策に反映していくことを目的とし、またこれまで以上に「持続可能性」について確信して主張していくことを獲得目標としております。みどりのテーブル
へ入会はゼミ参加の条件ではありませんが、主張を実現していくための何らかのご協力をいただければ幸甚です。

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なお、過去にも自主ゼミを開催しておりました。
そのときの呼びかけ文を参考までに掲載します。
第5期ではこれに加えて『昭和経済史』中村隆英著を使いました。

【以下は過去のものです。参考用】続きを読む
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2007年01月23日

ニコラス・ジョージェスク=レーゲン その3

ニコラス・ジョージェスク=レーゲン(以下、NGR)の『経済学の神話』の第2章「エネルギーと経済学の神話」、まずはじめにNGRは、標準的経済学者が機械論的な認識で経済学を打ちたてていること、そして、そのことに無頓着なままでいつづけていることへの批判から始めている。続きを読む
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2007年01月10日

ニコラス・ジョージェスク=レーゲン その2

ニコラス・ジョージェスク=レーゲン その1」の続きです。

日本語で読めるニコラス・ジョージェスク=レーゲン(Nicholas Georgescu=Roegen, 以下NGRと略す)の著書のうち、NGRの主張を骨子がまとまっているのが『経済学の神話』の第2章「2 エネルギーと経済学の神話」であろう。

直接間接にNGRが取り上げ批判している経済学者を挙げてみると、ジェヴォンズ、ワルラス、マルクス、レオンチェフ、マーシャル、ピグー、(フォン・ノイマン)、R.M.ソロー、ベッカーマン、ミル、他の章だがスティグリッツら。
いずれも経済学史上の巨人をぶったぎっている。切り方が容赦ない。これではマーク・ブローグでなくとも「敬意をもって受け入れられたけれども、すぐに避けられた」と評したくもなるだろう。続きを読む
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2006年12月18日

ニコラス・ジョージェスク=レーゲン その1

既知の論理体系を積み直すことで、それまでの体系を根底から覆すような仕事。そんな仕事をしたのが、ニコラス・ジョージェスク=レーゲン(Nicholas Georgescu=Roegen, 以下NGRと略す)だ、といったら言い過ぎだろうか。

今年はNGR生誕100年にあたる。

このブログでもNGRの名前を度々、取り上げてきた。
持続可能性と経済について深く言及しようとしたら、必ずNGRに触れることになる。少なくともNGRの間接的な影響を受けるだろう。続きを読む
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2006年04月05日

サラ金問題を考える

ぼくはサラ金産業は必要悪に留まらない、存在自体が社会悪だと考えている。サラ金業者側からみれば、需要があるのだからビジネスとして必要とされていると強弁するのだろうが、ぼくはそうした意見には納得できない。
サラ金がなぜ今、跋扈しているのかということを少し掘り下げて考えてみたい。

まず、サラ金を考える上で、基本的なデータを確認しておこう。
消費者金融連絡会が毎年発行しているタパルス白書の2005年度版に、サラ金の融資規模の変遷が詳しく記載されている。続きを読む
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2006年02月15日

いまや時代の寵児になるには「ホリエ」的にならざるを得ない

2月13日、堀江氏が起訴され容疑者から被告と呼ばれるようになった。相変わらずホリエモンの話題でメディアは大騒ぎだが、改めてどうして彼のようなビジネスのやり方がもてはやされたのか考えて見たい。

もはや富を急速に拡大するビジネスは、違法脱法をさておき彼のようなやり方に走らざるを得ない。市場がほぼ飽和し、新たなマーケットが急拡大することのない現在の世界において内橋克人さんが言うような「マネー資本主義」以外にビジネスでの成功を収めることは難しい時代になっている。

経済学を学びはじめると必ず出てくる「ぺティ=クラークの法則」なる法則がある。この法則は、「経済社会・産業社会の発展につれて、第一次産業から第二次産業、第二次から第三次産業へと就業人口の比率および国民所得に占める比率の重点がシフトしていくという法則」(Wikipediaより)というもの。続きを読む
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2005年10月27日

『ザ・コーポレーション』 改めて原作を読み直す

映画を観て、改めて原作を読み直してみた。

この本は6章構成。1〜5は事例の紹介、問題の指摘と掘り下げに割かれ、最終章で「いかに企業による社会支配を変えていくか」が書かれている。反グローバリズムの市民運動に関っている者ならば、(著者ベイカンの問題の掘り下げや収集、紹介されている事例はどれも興味深いが)前5章は必ずしも読まなくてもよい。続きを読む
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2005年10月21日

映画 ザ・コーポレーション 12/10から一般公開

一足先に試写会に行ってきた。
昨年、年の瀬も迫る頃に日本でも出版された『ザ・コーポレーション』の帯に「2005年夏日本公開予定」と書いてあったので上映を心待ちにしていた。遅いぞ!アップリンクさん。待ってたんだから。

2003年、日本でCSR(企業の社会的責任)がブームになり、多くの企業がCSR報告書を発行し始めた。しかし、そこに掲載される情報は企業が自ら選んだものだ。都合の悪いことはあまり書かれないし、書いたとしてもどうしても自社の立場を正当化するものになる。この映画を見れば「何が書かれていないのか?」、「なぜ個々の努力が全体としては成果をあげないのか?」そのことが鮮明に見えるだろう。続きを読む
posted by ichirok at 02:10 | TrackBack(1) | 経済・産業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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